論文アクセプトについて①|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

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論文アクセプトについて①|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

論文アクセプトについて①

先日ようやく論文がアクセプトされました。これは私が大学院に入ってから取り組んでいた研究を論文にまとめたもので、初投稿から約1年で正式にアクセプトされました。

内容としては骨とオートファジーに関するもので、結論から言いますと、「オートファジーによって骨粗鬆症が抑制される」ということになりますが、オートファジーって何なのかと疑問に思われると思いますので、今回はオートファジーについて概説したいと思います。

 

オートファジーとはautophagyと表記され、「auto」は自己、「phagy」は貪食といった自食作用という意味になり、自分自身の一部を食べてしまうという細胞内のシステムのことです。なぜ、細胞内の一部を分解して食べてしまうのかというと、老廃物や異常なタンパク質を掃除して細胞内の状態を新しく老化しないように整える必要があるためです。ちょうど、車検のたびに車のブレーキパッドやワイパーを交換して常に車の状態を維持しているのに似ています。オートファジーは老廃物を食べるだけではなく、感染症、癌、免疫など様々な疾患に重要であることが分かってきています。

このオートファジーを発見したのは日本人研究者の大隅良典先生で、大隅先生はオートファジーの発見の功績により2016年にノーベル生理学医学賞を受賞されています。つまり、伝統的にオートファジー分野は日本が世界をリードしてきた研究分野でもありました。大隅先生の研究室で重要な研究(LC-3の発見)をされてきた吉森保先生が現在大阪大学で教鞭を取られております。今はオートファジーの分子メカニズムの解明がかなり進んでおり、徐々に医学応用への道が開けている時期に差し掛かっていることから、私は阪大の吉森先生の教室で医学応用の研究をすることとなりました。

その中で、私は今回オートファジーと骨、特に骨粗鬆症についての研究をしました。

次回に論文の具体的な内容について触れていきたいと思います。