虚血性心疾患について|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

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虚血性心疾患について|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

虚血性心疾患について

虚血性心疾患について

急性期病院ではない、一般的なクリニックでも虚血性心疾患の患者の対応は必要です。なぜなら、軽度の胸痛や嘔気など強く心疾患を疑わない状態でも、検査をしてみれば心筋虚血が起こっている事例は多くあるからです。心臓はポンプの役割をしていて、心臓の内腔は常に大量の血液が循環しています。しかし、この内腔側を通過する血液は心臓をそのものに酸素を供給することはありません。心臓の外側には、主に3本の血管とそこから枝分かれしている細い血管が走っており、そこから酸素が供給されています。つまり、心臓の外側を走っている血管が詰まったり途切れたりすればたちまちに心臓の筋肉(心筋)が動かなくなる仕組みになっています。その状態が起こる疾患全般を虚血性心疾患と呼び、代表的なものに急性心筋梗塞や狭心症などがあります。

虚血性心疾患の症状

代表的な症状は胸痛、胸部絞扼感(締め付けられる感じ)、冷汗ですが、嘔気や嘔吐、肩への放散痛、歯〜下顎の痛みなども起こり得ます。

これらの症状がニトロペンやミオコールスプレーで速やかに改善した場合は、虚血性心疾患を疑います。ニトロペンは舌下錠で4分後に最高血中濃度に到達し持続時間は10分程度で1回の発作に対して3回まで使用できるのに対し、ミオコールスプレーは3分後に最高血中濃度に到達し持続時間は15分程度で1回の発作に対して2回まで使用できます。舌下錠よりスプレーの方が、効果発現が早いため好まれる場合があります。

クリニックでの検査

多くの検査ができる病院ではなく、クリニックで虚血性心疾患の患者さんと遭遇した場合、トロポニンTの迅速キットが有効です。もちろん、CK-MBやLDHなど迅速に測定できれば、それに越したことはありません。代表的な心筋逸脱酵素としてはWBC(>1h),トロポニンT(>3h),AST(4>h),CK-MB(4>h)などがあります。トロポニンT高値だと予後不良であり、迅速キットでスクリーニングする価値はありますが、発症より3時間以内だと陽性にならないことに注意が必要です。同時に心電図や胸部X P撮像も必要です。