バセドウ病|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

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バセドウ病|東姫路よしだクリニック|姫路市阿保の内科・リウマチ科・アレルギー科

バセドウ病

バセドウ病

バセドウ病は甲状腺に起こる自己免疫疾患の一つです。甲状腺は頚部に位置しており蝶が羽を広げたような形をしている臓器です。この甲状腺から分泌されている甲状腺ホルモンは全身に作用する重要なホルモンです。私たちが栄養を摂取しエネルギーとして代謝を行う過程を促進して助ける働きをしているのが、甲状腺ホルモンになります。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても問題が起こり、ちょうど良い分泌量が確保され続けることが重要です。そのため、甲状腺ホルモンの分泌量を制御するために脳(下垂体)から甲状腺刺激ホルモンが分泌されています。甲状腺刺激ホルモン(TSH)は甲状腺のTSH受容体に結合することで作用しますが、バセドウ病ではこのTSH受容体に対して抗体ができてしまいます。本来は私たちの体の一部分にも関わらず、甲状腺の受容体を敵と認識して抗体ができるため、自己に対する免疫反応として自己免疫疾患と考えられています。現時点ではなぜ、自分自身の一部分を敵として誤認してしまうのかよくわかっていません。何らかのウイルス感染やストレス、妊娠出産が契機になっているのではないかと推測されています。

 

バセドウ病の症状

甲状腺ホルモンは代謝を亢進させ、さらに交感神経を刺激するため動悸、体重減少、震え、暑がり、発汗などの症状が典型的です。そのほかにもイライラや落ち着かない感じなどの精神症状、倦怠感、下痢、筋力低下なども起こります。また、眼球が突出する特徴的な顔貌になることもあり、特に男性では周期性四肢麻痺と言って食後や運動後に手足が突然動かなくなることがあります。

 

診断(甲状腺疾患診断ガイドライン2021)

臨床所見
1.頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見
2.びまん性甲状腺腫大
3.眼球突出または特有の眼症状

検査所見
1.遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値
2.TSH低値(0.1μU/ml以下)
3.抗TSH受容体抗体(TRAb)陽性、または甲状腺刺激抗体(TSAb)陽性
4.典型例では放射性ヨウ素(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値、シンチグラフィでびまん性

 

バセドウ病の確定診断
臨床所見の1つ以上+検査所見の4つを有するもの

確からしいバセドウ病
臨床所見の1つ以上+検査所見の1、2、3を有するもの

バセドウ病の疑い
臨床所見の1つ以上+検査所見の1と2を有し、遊離T4、遊離T3高値が3ヶ月以上

 

治療

治療は大きく分けて1内科的治療2外科的治療3放射線治療に分けられます。

1内科的治療

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰になっているので、甲状腺ホルモンの合成や分泌を抑制する抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジール)を投与する方法があります。通常はメルカゾール3錠か6錠より開始し(授乳中ならメルカゾール2錠まで)、甲状腺ホルモンが正常化をはかります。定常量は抗甲状腺剤1〜2錠が維持量で抗TSH受容体抗体(TRAb)が陰性になれば服用終了となります。抗甲状腺剤内服に当たっては薬疹や白血球が減少する無顆粒球症などの副作用に注意が必要です。また、甲状腺機能亢進による動悸症状にはβブロッカーの使用が推奨されています。

2外科的治療

甲状腺を切除することで甲状腺ホルモンの低減をはかります。甲状腺がなくなるのですぐに症状は改善しますが、取り残しによる再発や、逆に甲状腺機能が低下しすぎることがあります。

3放射線治療

ヨードが甲状腺に取り込まれやすい性質を利用して、放射線を出すヨード(131I)を服用し放射線によって甲状腺組織を破壊します。外科的治療と同様に甲状腺機能がどれくらい残存するかによって、甲状腺機能低下になる可能性があります。小児や妊婦さん授乳中の方には使用できません。また、バセドウ病による眼の症状が悪化することがあります。

 

東姫路よしだクリニックでは、基本的には内科的治療を行いますが、外科的治療や放射線治療を希望される場合は姫路市の機関病院へ紹介させて頂きます。