昨今、多くの人工甘味料が様々な食べ物や飲料に使用されています。人工甘味料には甘味の割に摂取カロリーが少ないものや、人が吸収できない糖類の形をとっているため血糖が上がりにくいものなどがあります。これらは血糖値の上昇を抑え、摂取カロリーを減らすことにより糖尿病の発症を抑制していると考えられています。

しかし、疫学的な調査によるとダイエット清涼飲料水を週に１カップ飲む人は、全く飲まない人と比較して1.7倍も糖尿病になりやすいという報告があります。

これの原因として言われていることの一つは、人工甘味料であっても腸内細菌が糖尿病タイプの細菌叢に変化して、糖尿病になりやすくなっているということです。私たちは腸管に1000種類、100兆個の腸内細菌を飼っていると言われています。これらの腸内細菌はヒトと相互作用をしており、関節リウマチや糖尿病など罹患している疾患によって腸内細菌の種類（腸内細菌叢）も特徴的な組み合わせになっています。つまり、人工甘味料を摂取することにより腸内細菌叢に作用することで間接的に糖尿病のリスクが上がってしまっている可能性があるわけです。

カロリーゼロ（正確には全くのゼロではない）の清涼飲料水を摂取しても、糖尿病にならないということはなく、むしろ危機意識が低下することでリスクが上昇しているかもしれないので、身近に似たような方がいれば注意してあげましょう。