EBウイルス感染症
- 2022年3月4日
- 診断基準
EBウイルスは一般的なウイルス感染症の一つで、唾液を通じて感染すると言われています。そのために”kissing disease”(キスの病)と言われることもあります。95%以上の方が既感染と言われており、ほとんどが子供のころに感染していると考えられています。しかし、思春期以降に発症することもあり、伝染性単核球症として症状を示すことがあります。
伝染性単核球症の特徴
・発熱
・咽頭痛
・脾腫
・リンパ節腫脹
ウイルス感染症なので基本的には自然経過で良くなるのを待つことになります。しかし、食事や水分が取れない場合は補液を目的とした点滴を行うことが必要です。
EBウイルスの診断
血液検査で抗VCA IgG抗体、抗VCA IgM抗体、抗EBNA抗体の測定により感染状態が分かります。抗VCA IgG抗体、抗EBNA抗体が陽性なら既感染パターンです。さらに発熱や肝脾腫を示し多臓器不全を起こしている場合は慢性活動性EBウイルス感染症を考える必要があります。また、抗EBNA抗体が陰性で抗VCA IgG抗体や抗VCA IgM抗体が陽性なら急性期の感染として伝染性単核症と考えられます。
予後
咽頭痛や頚部のリンパ節主張などの症状については、ほとんど1ヶ月以内に軽快します。発熱は2週間程度持続することがあり、稀に倦怠感や発熱が長期間持続することがあり、元の生活に戻るのに2〜3ヶ月かかることもあります。