適切な運動習慣について
- 2022年1月10日
- 一般
運動は健康増進のために重要であり、例えば中年でより多くの運動を行うことは後年における死亡率が低下することが知られており、人生最後の5年間における多発慢性疾患のリスクを下げることが知られています。ただ、過度な運動は活性酸素を増加させ、運動に伴うリスクを上昇させることから、適度な運動を心がけることが必要です。
運動の4つのカテゴリー
- 有酸素運動;中等度30分/日×5回/週or 高強度20分/日×3回/週
- 筋トレ;8〜10の大筋群(腹部、両腕、脚、肩、臀部など)を連続しない2日/週
- 柔軟性;最低10分を2回/週
- バランス運動
運動によるベネフィット
死亡率;年齢や性別を問わず大抵の個人に対して減少
心血管系疾患;運動により低下
糖尿病;血糖コントロールとインスリン感受性を改善
癌の予防と治療;乳癌、大腸癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膵癌発症を僅かに予防する可能性
肥満;一生涯にわたって優位な健康効果をもたらす可能性
骨粗鬆症;股関節骨折のリスク減少
禁煙;認知行動療法を組み合わせると女性において禁煙を促進
胆石;症候性胆石のリスク減少と関連
認知;認知症や高齢者の認知能低下のリスク減少
心理学;ストレス、不安及びうつ病の減少
リスク
低ナトリウム血症;マラソン、トライアスロンなどのレース発症率は6%
不整脈;運動中のリスク増加
心臓突然死;稀に身体活動中に発症
心筋梗塞;リスクの一時的上昇と関連
筋骨格系損傷;急性の損傷、炎症、疲労骨折、外傷性骨折、神経麻痺、腱炎、滑液包炎など
横紋筋融解;過度の運動後に生じる可能性
気管支収縮;気道過敏性の程度に相関して運動誘発性に生じる
高体温;軽度の疲労から死まで変動
低体重の女性;無月経や不妊の原因
蕁麻疹・アナフィラキシー;運動誘発性で稀に生じる
運動にはリスクを上回るベネフィットを享受できる範囲内で無理なく継続的に行うことが理想的です。ご自身の健康状態や病気についてかかりつけ医と相談しながら運動強度を検討することが重要です。コロナ禍ではマラソン大会の開催も減少していますが、令和4年度は2月27日に姫路城下町マラソン大会が開催されます。大会に向けて走り込みを続けている方も多いかと思います。過度な運動は活性酸素増加に伴うデメリットが強く出てくる側面もあるため特に高齢の方はご自身の運動強度をしっかりと見極めることが重要です。