誤嚥予防の体操
- 2022年2月25日
- 介護保険
高齢になると嚥下機能が低下することで誤嚥性肺炎のリスクが上昇します。肺炎球菌ワクチンの接種も効果的ですが、そもそも誤嚥しないように口や喉の筋肉を動かしておくことは非常に重要です。私たちの喉の構造上、咽頭までは食事するときの食べ物も息をするときの空気も同じところを通りますが、咽頭の奥で気管と食道に別れます。ここで喉頭蓋という筋肉の蓋が行き先を分けてくれますが、喉の筋肉が低下すると上手く食物と空気を分けられなくなり、誤嚥する様になります。また誤って気管に入った食べ物や唾、痰を吐き出す力も大切です。簡単な体操を毎日コツコツと繰り返すことで、頚周りの筋肉低下を予防することができます。
①舌の出し入れ上下運動
1 舌をまっすぐに前に出してから元に戻す
2 舌を鼻先につける様に上にあげて、元に戻す
3 舌を顎につける様に下へ出して、元に戻す
1〜3を1セットとして、これを5セット行います。
②唇運動
1 「イー」と言いながら、唇を大きく横に引き寄せる
2 「ウー」と言いながら、唇をしぼませて前に突き出す
1,2を1セットとして、これを5セット行います。
③掛け声体操
繰り返す発声で滑舌や発語の安定性を図ります。「エイ、エイ、オー」や「わっしょい、わっしょい、わっしょい」などの掛け声になります。姫路を中心とする播州では祭りの掛け声の「ヨーイヤサー、ヨーイヤサー、エーンヤサー、エーンヤサー」でもいいでしょう。さらには“六甲おろし”の最後にある「オゥ オゥ オゥ オゥ 阪神タイガース フレー フレー フレー フレー」でもとても良い掛け声体操となります。
④パタカラ体操
「パ」唇の筋力
「タ」舌の前方筋肉
「カ」舌の後方筋肉
「ラ」舌の上方筋肉
パタカラ体操は嚥下や咀嚼に必要な筋肉に関係しており、多くの施設でも取り入れられています。
誤嚥予防のこれら運動は手軽にできるものの、ついサボりがちになります。当院では患者様に定期的な診察において、どのくらい継続できているか動機づけにもなるように致します。嚥下体操は一見平易な内容を喋ってもらうことになるなので、患者家族様から患者様本人に言いにくい時もありますが、東姫路よしだクリニックでは医師を通じて説明することで、より患者様に取り組んで頂けるように致します。