認知症予防
- 2022年1月16日
- 診断基準
認知症は多くの人にとって身近な疾患の一つです。自分自身が認知症になって将来、家族や子供に迷惑をかけたくないと考える方は多いと思います。実は認知症は発症リスクを抑えることが可能であり、認知症予防という考え方があります。としてLivingstonらがLancetに報告した文献では35%が「予防が可能とされる認知症発生リスク要因」となっており、シンプルに考えて残り65%が年齢や遺伝的要因で変えられないリスクと捉えることができます。
【予防が可能とされる認知症発生リスク因子】
・中年期の聴力低下…9%
・中等教育の未修了…8%
・喫煙…5%
・うつ…4%
・運動不足…3%
・社会的孤立…2%
・高血圧…2%
・肥満…2%
・2型糖尿病…1%
これらのリスク因子を見てみると、内科的な内容や社会背景も重要ですが、耳鼻科的な聴力についても非常に重要であることがわかります。
また、認知症疾患診療ガイドラインによると、認知症の防御因子として高血圧治療(0R0.89 RR0.87)、スタチン治療(RR0.62〜0.87)適度な飲酒(RR0.48)、身体運動(RR 0.62)などがあげられています。もちろん大量飲酒は危険因子とされています。つまり、高血圧や高脂血症は認知症予防のためにも積極的に治療介入が望ましいといえます。