膝関節のヒアルロン酸注射について
- 2022年1月27日
- 一般
膝関節のヒアルロン酸注射について
ヒアルロン酸は保湿や潤滑に重要な成分であり、人体の様々なところに存在しています。特に膝関節では、潤滑や衝撃吸収の役割をしており、多くの膝の疼痛を伴う疾患、特に変形性膝関節症や関節リウマチ、肩関節周囲炎(四十肩や五十肩)にヒアルロン酸の関節内への注射が効果的であり保険適応となっています。ヒアルロン酸は加齢や膝関節の病気で濃度が低下し、分子量が低下します。分子量は高い方が多くのヒアルロン酸同士が絡まり、保水や潤滑の役割を果たし、正常の膝関節におけるヒアルロン酸分子量約400万(濃度;0.3-0.4%)、ですが、変形性膝関節症では分子量約250万(濃度;0.1-0.2%)と低下していることが知られています。
ヒアルロン酸の注射製剤
①アルツ 分子量50~120万
②スベニール 分子量150~390万
③サイビスク 分子量600万以上
分子量が増加するにつれて、効果が期待できますが、副作用の頻度も増加していると報告されています。アルツ0.47%、スベニール1.29%、サイビスク5.5%。またサイビスクは高価であり、適応症も変形性膝関節症に限られているため、使用に関しては患者さんとしっかりと話す必要があります。