新型コロナウイルス感染症治療薬まとめ
- 2021年12月10日
- 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症治療薬まとめ
新型コロナウイルス感染症は「SARS-CoV-2」(COVID-19)によって引き起こされる感染症です。このウイルスに罹患した場合、約80%は発症から1週間程度で回復しますが、約15%の患者さんでは、発症から酸素投与が必要な中等症Ⅱ以上へ増悪することが報告されています。
2021年12月10日現在で新型コロナウイルス感染症に対して承認されている薬剤は以下の5種類になります。レムデシビル(ベクルリー:ウイルスのR N A複製過程を抑制)、デキサメタゾン(ステロイド製剤で抗炎症免疫抑制作用)、バリシチニブ(オルミエント:免疫抑制作用のあるJ A K阻害剤)、抗体カクテル療法カシリビマブ/イムデビマブ(ロナプリーブ:スパイク蛋白の受容体結合ドメインに対するモノクローナル抗体で中和抗体として作用)、ソトロビマブ(ゼビュディ:中和抗体)の5種類です。
この他に日本国内で開発中の薬剤としてトシリズマブ(アクテムラ:抗I L-6モノクローナル抗体で強力な免疫抑制作用)、ファビピラビル(アビガン:RNA合成酵素阻害薬)などが挙げられます。
これらの薬剤うち免疫抑制作用の強いバリシチニブ、トシリズマブなどはバイオ製剤として関節リウマチなど自己免疫疾患に使われていた薬剤で、デキサメタゾンも勿論リウマチやS L E、喘息などに使用されてきた薬剤です。これまで多くの患者様に自己免疫疾患の患者様にこれらの薬剤を使用してきましたが、その知見を今度はコロナ患者に応用できるのは非常に感慨深いものがあります。