新型コロナウイルス感染症の後遺症について〜呼吸症状

新型コロナウイルス感染症の後遺症としては息苦しさや咳、痰といった呼吸器関連の症状が多く報告されています。特に息苦しさ症状が新たに出現した時は医療機関に早期受診することが重要です。

後遺症症状が疑われた場合、最初は肺炎、心疾患（心不全、虚血性心疾患など）肺塞栓症などの鑑別が必要です。まずは近くのクリニックに受診し、採血、胸部レントゲン検査を行い、どのような時に症状が出て、どれくらい持続するのかしっかりとした問診が必要です。また、可能ならば呼吸機能検査を調べておくことが重要です。これはコロナ後遺症の呼吸器症状では特に肺拡散能後遺症が低下することが報告されているためです（令和2年度厚生労働省科学特別研究事業横山班中間報告）。ただ、コロナ禍において呼吸機能検査は飛沫感染のリスクがあるため、十分に注意して施行する必要があります。

後遺症がどの程度持続するかは明確に分かっていないものの、基本的には徐々に回復すると言われており、対症療法を行いながら、リハビリや精神的ケアをしっかりと行っていくことが重要です。

 

新型コロナウイルス感染症診療の手引き　罹患後症状のマネジメント参照