尿酸値について
- 2022年1月22日
- 診断基準
尿酸と痛風
尿酸値が高くても自覚症状はなく、採血するまでは分かりません。しかし、尿酸値が高いまま放置しておくと、結晶となった尿酸が関節に蓄積します。尿酸結晶ができると、そこで炎症が起こり、痛風発作となります。尿酸結晶は腎臓や尿管でも形成されることがあり、その場合、腎結石や尿管結石として激痛を生じます。
尿酸値の目安
血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。その場合、食事面の見直しやアルコール摂取制限など検討する必要があります。高尿酸血症と診断され、痛風関節炎の既往があれば薬物治療が必要です。また、例え痛風発作を起こしたことのない方でも9.0mg/dl以上と非常に高い尿酸値を示す場合は薬物治療が必要で、合併症(腎障害、糖尿病、高血圧、尿路結石、虚血性心疾患、メタボ)があれば8.0mg/dl以上で薬物治療の対象です。しかし、痛風関節炎の既往がなく、尿酸値が7.0〜7.9mg/dlの方は無症候性の高尿酸結晶として薬物投与の必要はありません。
高尿酸血症の予防
水分や野菜を多く取り、プリン体(ビール、鶏卵、魚卵、肉、魚)の摂取を控えることが大切と言われています。また、ビール以外のアルコールでもアルコール自体に尿酸を高くする作用があるのでアルコール全般を控えることが大切です。
また、過度な運動や無酸素運動でも尿酸が産生されやすくなり、軽い有酸素運動を行うことが有効とされています。
姫路には帰化センターがあったため、ベトナム人が比較的多いです。そのため、姫路エリアで診療をしているとベトナム人を診察することもよくありますが、彼らの痛風発症率は日本人のそれよりもずっと多いように思えます。彼らの食生活の問題なのか、尿酸代謝について遺伝的な差異があるのか、データをとってみるのも面白いかもしれません。