偽痛風
- 2022年1月23日
- 診断基準
偽痛風
偽痛風は関節の発赤、腫脹、疼痛を伴う関節炎症状を示す疾患で、膝関節や肩、足、手関節に起こります。このうち膝関節に発症する割合が半数程度と見積もられています。痛風と似た疾患ですが、痛風では尿酸結晶が関節内に蓄積するのに対し、偽痛風ではピロリン酸カルシウムの結晶が蓄積することによって起こります。残念ながら、なぜピロリン酸カルシウムが関節に蓄積するのかよくわかっていません。
偽痛風を発症したら
偽痛風の診断には関節のレントゲン撮影が有効です。これはカルシウムの石灰化像が関節内に線状に認められることが多いためです。また関節液にピロリン酸カルシウム結晶が認められれば、診断は確定となります。偽痛風にはステロイドの関節注射が著効することが知られています。ステロイドを使用するので化膿性関節炎など感染症の除外が重要です。
予防について
加齢に伴ってカルシウムの代謝に変化が起こることによって、ピロリン酸カルシウムの結晶ができるのではないかと言われています。しかし、現時点ではカルシウムの過剰摂取によって明らかに偽痛風が増加したという報告はありません。また、予防に有効と言われている食生活か避けるべき食品も現時点では明確に言われていません。