リウマチの診断について
- 2021年12月25日
- 診断基準
関節リウマチ分類基準ACR/EULAR2010
①1つ以上の関節が腫れている
②他の関節痛をきたす疾患の除外
③リウマチのスコアリング
②関節痛をきたす鑑別疾患
鑑別難易度 | |
高 | 1. ウイルス感染に伴う関節炎(パルボウイルス、風疹ウイルスなど)
2.全身性結合組織病(sjogren症候群、SLE、MCTD、皮膚筋炎・多発性筋炎、強皮症) 3.リウマチ性多発筋痛症 4.乾癬性関節炎 |
中 | 5.変形性関節症
6.関節周囲の疾患(腱鞘炎、腱付着部炎、肩関節周囲炎、滑液包炎など) 7.結晶誘発性関節炎(痛風、偽痛風など) 8.血清反応陰性脊椎関節炎(反応性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患関連関節炎) 9.全身性結合組織病(Bechet病、血管炎症候群、成人スチル病、結節性紅斑) 10.その他のリウマチ性疾患(回帰リウマチ、サルコイドーシス、RS3PEなど) 11.その他の疾患(更年期障害、線維筋痛症) |
低 | 12.感染に伴う関節炎(細菌性関節炎、結核性関節炎など)
13.全身性結合組織病(リウマチ熱、再発性多発軟骨炎など) 14.悪性腫瘍(腫瘍随伴症候群) 15.その他の疾患(アミロイドーシス、感染性心内膜炎、複合性局所疼痛症候群など) |
- 腫脹または圧痛関節数
・OAとの鑑別のためDIP,1stCMC,1srMTPは除外
・小関節の定義:MCP,PIP,1stIP,2~5MTP,手首
・大関節の定義:肩, 肘, 膝, 股, 足首
大関節の1カ所 | 0点 |
大関節の2~10カ所 | 1点 |
小関節の1~3カ所 | 2点 |
小関節の4~10カ所 | 3点 |
最低1つの小関節を含む11カ所以上 | 5点 |
- 血清反応:RF,CCP抗体
RF,CCP抗体の両方が陰性 | 0点 |
RF,CCP抗体のいずれか低値陽性(上限の3倍以下) | 2点 |
RF,CCP抗体のいずれか高値陽性(上限の3倍以上) | 3点 |
- 炎症反応
CRP,血沈の両方が正常 | 0点 |
CRPもしくは血沈のいずれか高値 | 1点 |
- 罹患期間
6週間未満 | 0点 |
6週間以上 | 1点 |
上記の合計6点以上で関節リウマチと診断。
採血結果でRF(リウマトイド因子)がどうなっているのか、関節リウマチの参考にはなりますが、正確に判断するには身体所見が欠かせません。
つまり、RFが高値でもリウマチと診断することはできず、またRFやCCP抗体が陰性でもリウマチではないと断定することはできません。
関節痛を認めた場合はあらゆる可能性を考えて、詳細な問診と身体所見の確認が必要といえます。