インフルエンザワクチンの効果について
- 2022年1月7日
- ワクチン
毎年冬になるとインフルエンザの流行に備えて、ワクチン接種が推奨されています。しかし、ワクチンの効果は一定していないと言われており、年によってはワクチンの効果が10%程度のこともあります。これはインフルエンザ罹患歴や、基礎疾患、年齢などの要素が考えられますが、一番大きな理由はワクチン製造の過程で鶏卵を使用するのですが、その培養過程で抗原性が変化してしまうことです。
現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは、ワクチンの原株として選択されたウイルス株を鶏卵で分離増殖させますが、その増殖過程でウイルスのヘマグルチニンという中和抗体の標的部位にアミノ酸変異がはいり、抗原性が変化してしまうことが起こります。これにより流行しているウイルス株とワクチン製造された株の抗原性が一致しなくなる現象が起こり、ワクチンの効果が低下してしまいます。
今後も鶏卵を使用したワクチン製造が続けられますが、ウイルスの変異が入らないような製造方法の開発が待たれるところです。