新型コロナウイルス感染症の後遺症について
- 2021年12月18日
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新型コロナウイルス感染症の後遺症について
新型コロナウイルス感染症にかかった後に、倦怠感や息苦しさ、頭痛などを訴えられる患者様が多くいます。2021年12月に厚生労働省よりこれらの罹患後症状について手引きが公開されました。手引きでは後遺症ではなくあえて罹患後症状として表記してあります。後遺症について国内、海外含めて様々な報告を取りまとめており、今回はまずは後遺症の頻度や持続期間について概説したいと思います。
後遺症の種類
後遺症の有無や重症度は新型コロナ肺炎の重症に比例することが多いと言われています。日本で新型コロナウイルス感染症として入院歴のある患者525例の追跡調査においては診断後3ヶ月時点でも下記のような症状を認めていたことが判明しています。
- 疲労感・倦怠感…21%
- 息苦しさ …15%
- 嗅覚障害 …10%
- 味覚障害 …9%
- 頭痛 …9%
- 咳 …8%
- 痰 …7%
- 関節痛 …5%
- 咽頭痛 …4%
10.筋力低下 …10%
11.睡眠障害 …10%
12.集中力低下 …10%
13.筋肉痛 …6%
14.下痢 …3%
15.脱毛 …12%
疲労感、倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力集中力の低下は診断されてから半年経過しても10%以上に罹患後症状として認められています。
昨今、コロナ関連情報が多く出ており、罹患後症状が一つでもあれば不安や抑うつ、睡眠障害が増悪している傾向にあります。
後遺症の発症を増減させる要因
海外では高齢、肥満、女性で後遺症状が見られやすいという報告があります。また、65歳以上の高齢者では嗅覚味覚障害の頻度が低いと推測されています。
ワクチンを2回接種した後に新型コロナウイルス感染症に罹患した場合、28日以上遷延する症状が約半数へと減少すると報告されています。
新型コロナウイルス感染症診療の手引き 罹患後症状のマネジメント参照